New York 2009 日記(3/3)

 

8月8日 

 フリーペーパーにブルーノート夜中12:30に$8ってのがあったので行ってみた。5分過ぎ位に行くとすでに演奏が始まっていた、店内に入ると前に入った客が店員と何やら話している。順番待ちの間に音を聴くとギタートリオが大昔のフュージョンみたいなのをやっている、やーめた。お金払わなくて良かった、もし入っていたらイスを蹴飛ばしていたかも。

 チェッ!とか思いながらブラブラしていると行列の出来ている店が、看板を見るとカフェワーだ。てことはジミヘンがイギリスへ行く前に演奏していたところじゃないの~?なんだかこっちの方が有り難かったりして。

 

8月9日 

 紳ちゃん夫婦とピザの人気店kesteで待ち合わせ。イタリア人がイタリア国外では世界一美味いという店らしい。本当に美味しくて直径30センチ位のを一人一枚食べた。

 C.O.M.A.へ。バンド編成で2グループ。どちらも軽いリズム有りの環境音楽的フリー。セッションで叩かせてもらった。前回は生声とか生バイオリンがいたので随分遠慮していたけど、今回はめいっぱいだ。ドカドッカーってやったらキイボードのおじさんともう一人いたドラマーのお兄さんの目が点になっていた。ムヒヒ。 

 

8月10日 

 SGI USA Cultural Centerってところでフリーコンサートみたいなので行ってみた。行ってびっくりSGIはSoka Gakkai Internationalの事だった。なんてことのないクインテットが演奏していた。ピアノは多少やる気だったかも。エアコンが気持ち良くてしばらくいたけど音まで宗教じみて聞こえてくるのがおかしかった。

 

8月11日 

 アメリカ最終日、またもブルックリン。店に行くとどうでもいいギタートリオロックバンド。店の奥になんだか落ち着ける空間を見つけてビール、一部分がオープンエアーになっていて涼しい。とにかく蒸し暑い日なのだ。

 例によってガラクタをかき集めてセッティング。ごみための中からスネアを探し出すのに苦労した。23時予定だったが押しまくりで音が出たのは24時過ぎだった。ステージの暑さはハンパじゃない。セッティングだけで汗だく。

 カースティンはやっぱり良いギターだった。俺とカースティンのデュオにブレイスが入ったって感じになった。気持ちが入って俺がウッとかアッとか叫ぶとカースティンはにっこりしていた。超汗だくのステージを終えたのは25時を大きく過ぎていた。最後に充実した演奏が出来て本当に良かった。 

 朝の飛行機なので寝ている時間は無さそうだ。ブルックリンめ!今回は路線図をしっかり調べてストレートにマンハッタンに帰ってやるぜ。 

 

8月12日 

 早朝、日本に向けて出発。 

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80年代前半、故高木元輝氏は「ニューヨークはザラザラしていて面白いよ。」とよく言っていた。25年程過ぎた現在、俺の印象としてはツルッツルって感じだ。だれかが傷つけたりしたら皆大慌てで修復することだろう。

 何百ヶ所で所謂ジャズミュージックが演奏されてはいるがその内フリージャズあるいはアバンギャルドといわれる音を定期的に提供しているのは俺の知る限り2ヶ所だけだ。そもそもフリージャズってものがアメリカに存在したのだろうか。日本人がかってに勘違いして作り上げた日本製なのではないのか。アメリカのジャズマンは昔からフリージャズなんて思ってやってなんかいないよね。この勘違いがあるから現場の状況としては日本の方が良いかも。ジャズクラブでフリーを演奏させてもらえるからなあ。 

 だからいいと思う、日本製日本人フリージャズで。堂々とやろう。 

 ニューヨークのフリーシーンの二分の一を支えているブレイスは偉いと思う。頑張って欲しいし協力もしたい。

 何百というバーやレストランで演奏されている。そりゃあ仕事はあるだろうけどその内何人がジャズミュージックを哲学しているのか。その内日本のように「音楽って芸術の一分野なんですか?」って問うプロのミュージシャンが現れるのでは?ジュリアードにジャズ課がある時代だ。もうニューヨークがザラザラする事は無いような気がする。