Andreas ツアー 2008 日記

 

アンドレアス・ドーマン 日本ツアー

 

5月1日  来日

 平塚駅で待ち合わせる。「いつものところで」との電話。日本人ピアニストの板なんとかさんより待ち合わせが楽ってどうなんだろう。午後2時来宅。すかさずウェルカムビールの開始。アンドレアスはサッポロビールが好きだ、ドイツビールに近いのだそうだ。缶6本はあっと言う間に空、近所のスーパーに買い出し、ビールはもちろんだがつまみも仕入れたいなあ。ドイツ野郎は魚売り場が大好き。ドイツは魚があんまり良くないからなあ。まるごとの鯵を買うと言い出した、「おまえさばけるの?」と聞くと、OK!だと言う。鯵3とバナメイ海老20を買う。海老はおいらの担当だ。

 午後9時。ピアノの杉田君、ギターの伊藤さん、車屋の神埼君、看護師の美貴子ちゃんが加わっての大宴会へと。12時間を越える集中飲酒なり。

 

5月2日  武蔵小金井アートランド

 二日酔いの重い頭をオレンジジュースでごまかしてバス、電車で武蔵小金井を目指す。なんだか遠い。

 サックスの森 順治さんが主宰する「多摩音楽講」コンサート。我朋友、広瀬淳二saxも参加していてとても居心地が良い、良い感じの音楽的空気が満ちている。アンドレアスとおいらのDuoでスタート。なんだか少し大人びた感じがするぜ、アンドレアス。広瀬君に言わせると「彼は良い耳をしている」のだそうだ。いろいろな組み合わせで演奏出来て楽しい。

 

5月3日  阿佐ヶ谷スターダスト

 森さんも参加してくれる事になり、アンドレアス・大沼Duo、森・大沼Duo、トリオの3セット。

 この店は懐かしくて涙が出そうになるほど60年代のかおりに満ちている。ママさんもまったくあのころのジャズ屋でミュージシャンをとても大切に扱ってくれる。音楽に対してももちろんだ。そんなママさんだからお客さんもとても音に対して真面目だ。この日もおいら達の出す音がお客さんに染み入っていくのがわかった。ジャズ研の先輩の飯塚さん、後輩の堀切君も来てくれて良い感じ。

 演奏後、アンドレアスがこれからオールナイトのDJパーティーに行くと言い出した。誰と行くのだと問うと昨年京都で知り合った女の子と行くと言う。この不良外人め!日本のとうちゃんはそんなのは許さんぞー。まあ気をつけて行ってきな。

 

5月4日  横浜エアジン

 横浜ImproMusicaFes.にての演奏。2部構成。1部はアメリカのパーカッション、ピアノとボイスの蜂谷真紀。2部がアンドレアス、大沼、蜂谷。1部のバンドも聞いたがピアノはなかなか良かったけどパーカスはスカだった。蜂谷ボイスは良いと思う、声も良いけどアンドレアスのバスクラとのハーモニーがすばらしい。

 この日、アンドレアスはねむそうだ。ざまみやがれ。

 

5月5日  藤沢Beluga

 アンドレアス、大沼、田中洋平bass。洋平は杉田靖典トリオで共演しているがフリーははじめてだ。しかし音を出してみるとまったくすばらしい。良いぞ洋平。何かをわかっているんだろうなあ。

 ここのマスターはテナー吹きだ。いっしょに音を出すつもりだったけど、良い感じのまま終わりたくて、今回はかんべんしてもらった。ごめんね、この次にしよう。

 いまどきめずらしく、この店ではミュージシャンに呑ましてくれる。ビール~マイヤーズラムで良い気持ち。

 

5月6日  横浜アドリブ

 このツアー唯一の板倉克行pianoとのトリオだ。アンドレアスと店への階段を上がっているとすでに板倉さんのピアノの音だ。良い感じだぜ、おやじ。

 板倉さんとアンドレアスの2ショットは夏休みのじいちゃんと孫だ。まったく良いね。近くの立飲み屋で生を決めてからライブ。ただただ美しい演奏だった。

5月7日  off

 まずは近くの回転で初寿司。しかし回転しておらず、別々に注文できないアンドレアスが注文したのはレディースセットだった。プッ。

 食後はビリヤードへ、8ボールゲーム専門のアンドレアスだから、9ボールゲームを教えてやるよとかいって勝つ気でいたら2-6でぼろ負け。

 夜は大谷夫妻とすじやで宴会。夫妻は3年間ドイツで暮らした事があってドイツ語もペラペラだ。おいらはただただ呑んでいれば良いのでらくちん。

 

5月8日  平塚クロスロード

 平塚の音楽好き(名前のとおり特にブルース)がやっている。まだ新しい店だが客層は厚い。おいらとアンドレアスのようなライブももちろん初だ。お客さんの入りが心配だったがガリさん(マスター)ががんばってくれて何十年振りかの知り合いも何人かいてなつかしいやら、年を感じるやら。そんな中に高校生の息子がバスクラをやっているという人が居て、息子はかぶりつき。これにはアンドレアスもびっくり。話を聞くと楽器は学校にあるのだそうだ、めずらしいとおもう。バスクラは安くても70~80はするからなあ。

 投げ銭用のタンバリンは1000円札でいっぱいだ、ありがとう、旧友たち。

 

5月9日  江古田FlyingTeapot

 この日はアンドレアスが東京で用があるというので、地図を持たせての現地集合。なかなか来やしねえ。30分の遅刻。聞くと池袋から急行に乗ったらしく戻ってきたらしい。電車も満員だったらしくまいっていた。

 ドラムの弘中 聡君の仕切り。アンドレアス-大沼Duoでスタート。他の出演は康 勝栄guitar、松本健一sax。いろいろな組み合わせで演奏した。松健とは特に久々だ。

康君はノーエフェクトで音が綺麗。話を聞くと何年か前、酔っ払ったおいらが何か言ったらしくそれ以来エフェクターは使っていないのだそうだ。なんだか、ごめんね康君。

 軽く打ち上げ。養老。あれはなんだ、とアンドレアスがいうので壁のおつまみポスターを見ると「ジャーマンポテト」だと。注文してやるとうまいうまいと食べていた。

 

5月10日  入谷なってるハウス

 待ちに待った「DIE BANDE」だ。永塚博之bassとも1年ぶり、やはり良いbassだ。どうしても音源が欲しくてエンジニアの林さんに録音をお願いすることにした。録音は少し聴かせてもらったがなかなか良い感じ。アンドレアスもおまえそんなに吹いて大丈夫?って位がんばっている。「DIE BANDE」はあと2回ある。なんとも楽しみな事だ。

5月11日  阿佐ヶ谷ひねもすのたり

 陶芸作家工藤冬里氏の個展にての演奏。工藤さんはもともと四国の人で子供の頃よりファンがたくさんいたらしい。

 まずは工藤組の演奏(パフォーマンス)。工藤さんはバイオリン、ダンス、詩の朗読。他はバイオリン2、チェロ1。工藤さんはキコキコッってバイオリンひいたかと思うとくるっくるってまわってドタンと倒れる。チェロの女の子は明らかに楽器が心配でどんどん遠ざかっていく。やり方としてはいわゆる「円盤」系だがはっきり言って変人だ。おいおい何固まってんだ、アンドレアス。

 最後にセッションした。チェロだけは少しまともだ。工藤さん達はへたりこんでバイオリンの裏を叩いていた。

 

5月12日  横浜リトルジョン

 「DIE BANDE」2回目。今日も良い感じだ。リトルジョンでは昔からいろいろなバンドのライブをお願いしてきた。しかもどんな編成でも断られた事が無い。おいらはリトルジョンは音の実験室だと思っている。

 1ステージを良い感じで終えてビールをやっているとどうみても上品とはいえない2人のおやじが。やたら態度がでかい。あとで知ったのだが横浜ジャズプロムナードとジャズイン東京のプロデューサーらしい。なるほどねー、あんなやつらにジャズミュージックは理解出来ないだろうし、ましてジャズフェスなんて。2ステージ目がはじまってしばらくするとお下品2人組は「ばかなもの見ちまった」て顔でそそくさと出て行った。おとといきやがれ。関わるんじゃねーぞアンドレアス。

5月13日

 アンドレアスは午前中、京都-奈良観光に出発。

 

5月15日  新宿ピットイン

 「DIE BANDE」3回目。野郎ども最高だぜ。今日ここに居ねえやつはトホホだね。手前みそだけど、今日のはそのくらい言ってやる。アンディーも間違いなくこのツアーNO.1だ。おいらの好きなクールな受付の兄さんも演奏についてはいつもは何も言わないくせに今日にかぎって「良い演奏だね」て言ってくれた。ありがとのー。PAの藤村さんは「今日のは5000円出しても聴きたいね、でもそんなお金ないけどね」て、どういう意味じゃー?

 おいらの運転で帰宅したのが0時半。呑めなかったおいらはビール、ビール、ビール。しかし仕事はまだまだある、洗濯、風呂、つまみ、日記。

 おいらの日記中にアンディーは風呂。「ブアー!!!」て、おまえは日本人か?

 

5月16日  off

 サックスの金剛さんが柳沢管楽器の工房に連れていってくれた。金剛さんは昔柳沢に勤めていた、だから出来ることだ。しかも社長、副社長、職人頭じきじきのご案内。おそれいります。一本のサックスの出来上がりをはじめから見る事ができた。まったく貴重な体験だ。すべてが職人さんの手仕事で、注文においつけない「世界の柳沢」の理由がよくわかる。職人頭の森戸さんは図面なしでサックス一本を1人で作れるそうだ、信じられん。森戸さんと2ショットで写真におさまった。アンディーもマウスピースの部屋ではよだれが出ていた。社長の冗談からはじまって作られたという14金無垢のサックスってのも見せてもらったけどあれは本当に冗談だろうな、値段をつけるとしたら800万だと、プーだ。シルバーのがかっこよかった。見学後のミーティング、社長みずからミネラルウォーターの買出し、なんだか良い社長だなあ。

 金剛さんと別れて、アンディー-大沼組は渋谷のジャズ喫茶でビール。おいらのお気に入りの店で音源すべてがアナログLPだ。「JBS」ジャズ、ブルース、ソウルなんだと、プッ。するとカウンターにひとりのいかしたおねえさん。アンディーは気になってしかたがない様子。「おごるからもっとビール呑もう」っておまえ、どこかが不純なんだよ。追加ビールにはつきあったけど。

 平塚にもどってからもクロスロードで呑み呑み呑み!泥になった。

5月17日  平塚サンタナ

 杉田靖典pianoカルテット。アンディーのツアー最終日だ。1部はスタンダード、オリジナル、2部はすべてフリーで演ると杉ちゃんは言うけど、2部が心配。案の定2部の演奏中に「フリーはやめて下さい」とのメモが。関係ねー!

 Bassの洋平のオリジナル「黄灰色のブルース」でのアンディー-洋平のDuoが涙が出るほど美しい。

 ビール、ビール~ワイン、ワイン。いいかげんで帰ろうかと思っていると、杉ちゃんと洋平が「僕たち明日はoffなんですが」て、どういう意味?わかったよ、おいらの家で宴会だー。アンディー、おまえは寝られないね。朝一のバスで空港に向かうため宴会途中に目覚まし時計2個をかかえてとなりの部屋へ。

 

5月18日  アンディー帰国  

 朝のバスで帰国。ねむい目をこすりながらもバス停まで見送り。またなー!